六道珍皇寺 京都祇園四条界隈~東山を歩くその3

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六道珍皇寺



古来、風葬の地として知られていた鳥野辺。

かつて五条通であった門前の松原通は鳥野辺へと
亡骸を運ぶ際の道路であった。

現世から冥界へ行く際の入り口とされた当寺の界隈には
様々な伝説が残る。

平安時代には五条坂~今熊野の阿弥陀ヶ峰の麓一帯は
鳥野辺と呼ばれる京の東に位置する葬送の地であった。
そこへ至る道筋にあたる六道珍皇寺にて野辺の送りの法要
を行い、この地で最後のお別れが行われた。

上記の風習のためか、いつしか、この寺の辺りを中世以降「六道の辻」と称し、
冥界への入り口とされてきた。


六道とは仏教が説く六道輪廻の死後の世界のことである。
地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上界の六つ。



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当寺では現世と冥界にまつわるある伝説の話が有名である。
その主人公は当時官僚として朝廷に仕えていた小野篁という人物。

篁は昼は官僚として働き、夜は閻魔庁に行き、閻魔大王の補佐
として働いていたという。

「今昔物語集」には右大臣であった藤原良相が亡くなった際に篁が
閻魔大王に許しの助言をしたところ、閻魔大王はそれに応じ、藤原良相は
生き返ったという話が載っている。

境内には篁が毎晩閻魔庁に通うための入り口に使っていた井戸があり、
冥界からの出口として使っていた「黄泉がえりの井」は旧境内地に存在する。
そして、時として使っていた井戸が嵯峨野の旧寺院にある。


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さて、境内では鐘を撞くことができるので、撞かせていただきました。
実に良い音が出ます。

鐘の隣には堂があり、堂内には閻魔大王と小野篁が並んでいる。
閻魔大王は引接寺の大きさには及ばないものの、かなりの迫力で
こちらを見つめています。篁は冷静沈着な感じで、閻魔大王の傍らで
庶務を淡々とこなしているような雰囲気でした。


現世と冥界の境である珍皇寺。
実に興味深いお寺でした。

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